新型コロナウィルスの終息が見え始め、世界各地への渡航、交流が徐々に元の状態にもどりつつあります。
さあ、準備をはじめましょう。

フラットホワイトがトロントで通じない!!

エッセイ

私は、カフェ・オ・レが大好きです。ドリップコーヒーに牛乳をたっぷり加えたものです。

ここでは、カフェ・オ・レにまつわるオーストラリアの常識がカナダのトロントで全く通じなかったお話です。

オーストラリアのカフェメニューにはカフェオレがない?!

オーストラリアの海辺の街には、エメラルドグリーンの海を眺めながらコーヒーや食事を楽しむことができるオープンカフェがたくさんあります。

そういったカフェでお茶していると、オーストラリアにいるなぁ~という気分が最高潮に高まります。

1年間のオーストラリア滞在中、何度カフェでお茶した事でしょう。

まだまだワーホリ始まったばかりの頃、海辺のカフェに息巻いて出かけました。注文時、カフェオレが飲みたいと思ったのですが、メニューにはカフェオレの文字がありません。仕方なく諦めカフェラテで手を打ちました。このようにメニューをくまなく探してもカフェオレが見当たらないため、初めのうちはカフェラテやカプチーノで済ませていましたが、カフェに行く回数も増えてくると、「カフェオレが飲みたい!ふわふわの泡はいらないんじゃ!」という気持ちがどんどん強くなり、なんとか自分の欲求を叶える方法はないものかと模索し始めました。

とある日入ったカフェのメニューに 「 Iced Coffee 」という文字があったので、これにミルクをたっぷり入れればいいじゃないかと思い注文。

すると、出てきたのは・・・

オーストラリア的アイスコーヒー

ち・ちがう・・・
これは、日本的にはコーヒーフロートみたいなものだぞ・・・
これはこれで、甘くておいしいけれども・・・

その後、2~3度違うカフェで「 Iced coffee」を注文してみましたが、全てこの様なコーヒーフロートがでてきたのでした。そしてやっと、オーストラリアのアイスコーヒーはこれなんだと気が付きます。

日本的アイスコーヒー

そうなんです、オーストラリアにはこのような ↑↑ 日本的アイスコーヒーはないのです。

これで、日本的アイスコーヒーにミルクをたっぷり入れてカフェオレを作ってやろう計画も頓挫しました。

カフェオレが飲めないとなると、カフェオレが飲みたい願望は更に強くなります・・・

ついに見つけた!!オーストラリア的カフェオレ

また後日新たなカフェに立ち寄りました。ここで、素晴らしいメニューを発見!! なんと写真つきではないですか!!

そこで、見つけたのです。カフェオレみたいな写真を!!

そうそう、これこれ!!この写真はまさにカフェオレでしょ!!

メニューの文字を見てみると、「 Flat White 」。フラットホワイト・・・? 確かに、今まで入ったカフェでもこの文字は見かけた気がします(カフェオレを探して、どのカフェでもメニューはくまなく見ていた)。でもホワイトってあるから何かホットミルク的なものかと思い、勝手に候補から除外してしまっていました。

注文してみました。発音に注意しながら、下唇かんでと・・・「One  F F Flat White 」

やってきたのは、まさしく写真同様、カフェオレでした!!!

ついに、見つけたぞぉ~!! 長きにわたって探し求めただけあって、旨さひとしおです。

厳密に言うと、フラットホワイトはエスプレッソをたっぷりの温かいミルクで割った飲み物です。ドリップコーヒーをミルクで割ったカフェオレよりも、コーヒー感(苦味)が強いです。

カフェで提供されるコーヒーはドリップコーヒーではなく、エスプレッソを土台にしたメニューが大半を占めるオーストラリアでは、このフラットホワイトは定番の飲み物だったのです。

これを機に、オーストラリアのカフェではほぼ、フラットホワイトばかりを飲んでいた私でした。

カナダのトロントでフラットホワイトが通じない?!

Rosy NguyenによるPixabayからの画像

オーストラリア滞在1年間でフラットホワイトを飲み倒していた私。帰国して3年が経ち、再びワーホリでカナダのトロントに行くことになりました。

トロント到着後、初のカフェ。日本にいる3年間フラットホワイトを飲む機会はありませんでした。なんせ日本にはそんなメニューは存在しません。3年ぶりのフラットホワイトです。もう言いたくて仕方ありません。

ろくにメニューに目も通さず、店員さんに注文します。

「 One Flat White 」・・・・ 店員さんは聞き返してきます。「 Flat ….. What ?? 」

(あぁ~、英語久しぶりだから発音が悪いか・・・)もう一度、下唇をしっかりかんで言い直します。

「 FLAT WHITE , Please 」・・・・ 店員さんはまた聞き返してきます。

私は、何度も色んな言い方でフラットホワイトと言ってみましたが伝わりません。一緒にいた友達(イギリスに1年間の滞在経験あり)に、

「フラットホワイトが頼みたいんだけど、伝わらん・・・」と助けを求めると友達も、

「フラットホワイト? なにそれ? で、何が頼みたいの?」と聞かれ、

「カフェオレ」と私が答えると、

「Coffee with milk」と助けてくれたのでした。

Coffee with milk だって~!!! なんだそのダサイ頼み方は!!! フラットホワイトでしょうが!!!

 

後々調べてみてわかったことは、エスプレッソをたっぷりのスチームミルクで割ったフラットホワイトはオーストラリアやニュージーランドでは定番の飲み物ですが、世界的認知度は低いようです。最近では、アメリカのスタバなどではメニュー入ってきているようですが、トロントのカフェでは店員さんも名前も知らない飲み物だったようです。

ちなみに、イギリス滞在経験のある友達も全然知りませんでした。

 

国が変われば文化も変わる

例え使用している言語が同じでも、国が変われば文化や習慣は変わります。

今になればわかりますが、当時の私は同じ英語を話す国なら文化や習慣はほぼ同じでしょうと、無意識に思い込んでいたんだと思います。

その結果、オーストラリア文化を確認もせずにカナダにぶつけ、弾き飛ばされました。

この後、カナダに1年間滞在して、カナダとオーストラリアでは文化も違えば国民性も大きく違う事に気付きました。

失敗にしろ、成功にしろ、身をもって学ぶ経験は絶対に忘れることはありません。

百聞は一見にしかず。 正に。

 

フラットホワイトがまた飲みたくなってきました。