新型コロナウィルスの終息が見え始め、世界各地への渡航、交流が徐々に元の状態にもどりつつあります。
さあ、準備をはじめましょう。

おしゃべりな人は英会話の上達が速いのは本当です

エッセイ

おしゃべりなが好きな人は英会話の上達が速い、とよく巷で言われます。
ワーホリを経験する前の私はそんな巷のうわさに対して、

「いやいや、もともとの基本的文法や単語量があっての話でしょう。同じ知識がある人同士を比べたらって事でしょう?」

と思っていました。

が、この私の中での定説はワーホリを経験する事によって、ガラガラと崩れ去ることになりました。

今自信をもって言えることは、

「おしゃべりが好きな人は英会話(どんな言語でも)の上達は速い!! 英語に対する知識の量は大した問題ではない!!」

という事です。

それでは、オーストラリアワーホリとカナダワーホリとワーホリを2度経験し、この結論に決定的に自信を持たせてくれた出来事のお話をさせて頂こうと思います。

カナダのトロントで2ヶ月のホームステイ

Woodbine Beach Boardwalk 参照元:https://www.toronto.com

2度目のワーホリはカナダのトロントから始まりました。以前のオーストラリアワーホリの経験から、ワーホリの始まりには、その街の事をよく知る期間として、ホームステイをしながら語学学校へ通うのが良い方法だと思っていました。

トロントの留学センターに紹介してもらったホームステイ先に2ヶ月(初めは1ヶ月の予定でしたが、居心地がよく1ヶ月延長しました)お世話になりました。

そちらのお宅は、40~50代の共働き夫婦(子供なし)に常時留学生が2~3人という家族構成でした。

留学生はそれぞれ来る時期がバラバラなので、入れ代わり立ち代わり様々な国(南米系多し)の学生がやって来ては、帰っていくという感じでした。

私がそのお宅にお世話になっている期間は、短期留学生がほとんどでした(1~2ヶ月語学学校で勉強して帰国のパターン)。

 

南米の男子はよくしゃべる

トロントのホームステイ先で一緒になった学生たちは、だいたい皆20代前後、国はブラジル(1)・メキシコ(2)・チリ(1)・韓国(1)。韓国人は女子、ブラジル・メキシコ・チリは男子でした。

帰宅すると、だいたいその時家に居合わせた学生メンバーでまず散歩に出かけます。お世話になっていたホームステイ宅はトロントでもオンタリオ湖の湖畔に広がるビーチエリア、その名もビーチーズというエリアにありました。ビーチーズには散歩に適した素敵な遊歩道が整備されており、散歩せずにはいられない場所なのです。

その散歩の最中、南米の男子はしゃべるしゃべる・・・

一口に南米と言っても、彼らの母国語はポルトガル語やスペイン語とそれぞれ違います。そこに、私達アジアの韓国語・日本語です。我々の共通語はもちろん英語しかありません。

南米の彼らは、たとえトロントに来たばかりでほとんどビギナーレベルの英語でも、臆せずしゃべり倒すのです。

私でもわかるくらい、間違いだらけの英語です。なのに、すごい大声。初めのうちは、「もう少し声のボリューム下げてくれないと、ちょっと恥ずかしいんだけどな・・・」と思っていましたが、それも4日くらいで慣れました。1週間もすると私も同じくらいのボリュームでへたくそな英語でしゃべりながらビーチーズを散歩していました。

なぜなら彼らは、ともすると引いてしまいがちなアジアンな私達(韓国人女子ウニョンちゃんと私)をほっといてくれないのです(良くも悪くも)。ちょっとしゃべってないなと見るや否や質問の嵐。「今日は、学校で何した? 何の勉強した? それどういう意味?どういう意味? 週末のアクティビティは何がある?・・・・・」しゃべらざるおえない状況に追い込まれます。

これまで5回のホームステイを経験しましたが、ホームステイ中に英話で話したトータルの時間をそれぞれ算出すると(したことありませんが)、このトロントでのホームステイが一番長いのは確実でしょう。

 

チリ人男子学生の上達の速さに驚き!!

私がこのお宅に来た時に、既にブラジル人学生一人とメキシコ人学生一人がお世話になっていました。そして、私がお世話になり始めて2週間程経った頃、ブラジル人が帰国し、一人のチリ人学生が入ってきました。

彼も例にもれずしゃべるしゃべる。初対面にもかかわらず、まるで前から知り合いだったかのごとく。

チリからカナダに来たばかりの彼は、まだまだすらすら英語が出てくる状態ではありません。

しかし、とにかく思ったことは全て言葉にするのです。言葉に詰まりながらも、言い切ります。

ここが、日本人とは違うところです。我々日本人は言いたい事があっても、言葉(英語)に詰まってしまうとすぐに黙ってしまいます。

同じくホームステイしているメキシコ人学生(既にカナダ滞在3ヶ月目くらい)は、私の耳元で「昨日の話してるのに、動詞が現在形だ」とプップップッと笑ったりしていました。(おいおい、自分も来たばっかりの頃はこんな感じだったんでしょう?誰だって初めはこんな感じでしょうが。と思いつつも、若いので大目に見てあげます。当時私は、ワーギリの29歳。ホームステイでも一人だけ断トツの年上なのでした。なので、彼らのやらかすオイタも大抵の事は「若いの~」と大目に見ることができたのです。)

チリ人の彼も、もちろん一緒にビーチ散歩に出かけます。毎日毎日、ベラベラ、ベラベラしゃべりながら。

1週間後、彼はつっかえながらしゃべる感じが消えてきました。

2週間後、英語をしゃべる時、過去形・現在形・過去分詞と、時制の一致が出来ていないことがよくあると自分の間違いに気づき始めました。

3週間後、過去形と現在形の間違いなどが相当改善されてきました。

彼が来たばかりの時は、彼と話すとたまに眉間にしわを寄せて、「ん~、何だって?」という顔をしていたホストマザーも、その頃にはそんな顔をする事はなくなり、いつでもにこやかに話すようになりました。

当時、私は語学学校のクラスはインターミディエイトでした。彼の英会話力は、私の感触では到着当初はビギナーくらいだったのが、3週間でインターミディエイトレベルにまで上がったように思います。

彼の3週間での成長を目の当たりにし、英会話を上達させるうえで、おしゃべりすることがいかに重要かを確信しました。

 

英会話上達の秘訣とは

もちろん、チリ人の彼の英語の知識自体が3週間でビギナーからインターミディエイトレベルになったわけではありません。ただ、英語を使ってのコミュニケーションは、3週間で見違えるほどスムーズに行えるようになりました。

英語を習得する上で、日本人には多くのハンデがあると私は思います。

まずは、文字がアルファベットではない

言語が違ってもアルファベットを使用している言語の人は、それだけでずいぶん日本人より有利です。

文法が全く違う

S V O C の順番が基本的に違うため(基本日本語は V が一番後ろにきます)、一度頭の中で英文を作ってから(S V O C の順番を整えてから)でないとしゃべることができない。

これらは、変える事の出来ない事実です。

初めから英会話習得に対して、出遅れてしまっているのです。

ならば、我々に出来る事は何か。

南米人を上回るほどにおしゃべりしまくる

これができれば、前述の変える事の出来ない事実も陵駕する事が出来るのではないか・・・

しかし、簡単ではありません・・・ 

しゃべらないと生きていけない彼ら(個人的見解です)を、しゃべらずとも生きていける日本人(個人的見解です)が上回るのは、至難の業です。

しかし、おしゃべりするかしないかは自分自身の行動の問題です。前述の変えられない事実とは違い、自分自身の行動は変えることができます

志一つで。

英会話を上達させたい時は、おしゃべりになりましょう。