オーストラリアでスカイダイビング AFFライセンス取得 その行程をご紹介
オーストラリアワーホリ11カ月目。
勢いだけで決めたスカイダイビングライセンス取得への道。
今回は、その行程をご紹介させて頂きます。
- 1. スカイダイビングライセンス AFF コース 全9行程のご紹介
- 1.1. 実技講習の前の座学講習(1日)
- 1.2. STAGE 1. 二人のインストラクターに両側からつかまれながら飛ぶ
- 1.3. STAGE 2. インストラクターにつかまれながら左右に周る
- 1.4. STAGE 3. 正しい姿勢で安定してまっすぐフリーフォールする
- 1.5. STAGE 4. 完全に一人でまっすぐフリーフォールする
- 1.6. STAGE 5. 左右に360度ターンする
- 1.7. STAGE 6. 一人でセスナの外側につかまってからの飛び出し&STAGE 5の内容
- 1.8. STAGE 7. バック転した後にすぐに安定落下、トラック(アーチではない落下姿勢)
- 1.9. STAGE 8. 高速&遅速落下・“S”字トラック・より安定した左右ターン
- 1.10. STAGE 9. 低高度(3000フィート)からの落下
- 1.11. 更に、条件を満たしたダイビングを10本(インストラクターなし)
- 2. あとがき
スカイダイビングライセンス AFF コース 全9行程のご紹介
スカイダイビングと言うと多くの方がまず想像するのが、インストラクターとくっついて飛ぶ体験スカイダイビング(タンデムスカイダイビング)だと思います。
この AFF ( Accelerated Free-Fall ) コースは、取得するとスカイダイビングが一人で飛べるようになります。
全部で9工程あり、1つの行程を合格すると、次の行程に進めるシステムです。
西オーストラリアのヨーク( YORK )という町のドロップゾーン(スカイダイビングをする場所)で取得した、スカイダイビング AFFコースの全9行程についてご紹介させていただきます。
実技講習の前の座学講習(1日)
ドロップゾーンで実技講習に入る前に、座学講習(1日)があります。
テキストを使用して、スカイダイビングとはどういったスポーツか、緊急事態の対応の仕方等を学びます。
座学講習が終わると、ドロップゾーンで実技講習に入ります。
STAGE 1. 二人のインストラクターに両側からつかまれながら飛ぶ

スカイダイビングをする時の基本姿勢が背中を反らせ、弓の様な状態を作るアーチという姿勢です。
まず最初は、インストラクター二人に両側からつかまれながら、アーチの体制を保ちまっすぐ落ちる練習です。
STAGE 1.課題
- 緊張・プレッシャーの克服(飛行機から飛び降りるという行為に対する)
- 高度の確認(手首につけた高度計で、4~5秒おきに地上の目視と高度の確認)
- 総合的な認知・確認(常に自分や周りの動きを確認)
- 地上4000フィートでリップコードを引く(パラシュートを開く)
キャノピー(パラシュート)が開いてからは、先に地上に降りたインストラクターが地上からキャノピーの操作を指示してくれます。
大きなうちわみたいなのを両手に持って、「右ハンドルを引く」「左ハンドルを引く」と言った指示を地上から出してくれるので、それに従ってハンドル操作をする。
【 感想 】
セスナから飛び降りた後は、時速200Km で落下。インストラクターが掴んでくれているとは言え、体が全くインストラクターとつながっていない状態で落ちる緊張感は、体験ダイビングとは格段の差があります。
キャノピーが開いてからは、完全に一人になります。キャノピー操作はぶっつけ本番ですが、地上のインストラクターの指示に従って操作するとちゃんと着地できます。
STAGE 2. インストラクターにつかまれながら左右に周る
二人のインストラクターが、両側から体を掴んだ状態のままでフリーフォールします。
インストラクターが、左右に一回転させてくれます。
ターンする感覚を体験します。
STAGE 2.課題
- 高度の確認(地上の目視、高度計を4~5秒おきにチェック・読み上げ)
- 腕・足・体の位置を修正し、正しい姿勢を維持
- 進行方向の確認
- ターンの体験
- 3500フィートでリップコードを引く
【 感想 】
フリーフォールの最中(約1分間)、インストラクターが落下姿勢を修正してくれます。足の幅を狭める・足を少し伸ばす・膝を曲げる・体をもっと反らせる(もっとアーチする)・アーチし過ぎ等々。この指示は全て手のサインでされるため、その指示をこなすのがなかなか大変
STAGE 3. 正しい姿勢で安定してまっすぐフリーフォールする
一人のインストラクターが生徒の体の片側を掴み、もう一人は手を放し生徒の前方から指示を出します。
しっかりと前方のインストラクターとアイコンタクトをし、指示に従います。
STAGE 3.課題
- 高度の確認(4~5秒おきに地上の目視・高度計のチェック・読み上げ)
- 前方にいるインストラクターと同じスピードで、体勢をコントロールしながらまっすぐ落ちる
- 進行方向の確認
- 3500フィートでリップコードを引く
キャノピーのパッキングの仕方のレクチャーあり。
(キャノピーのパッキングは、ひもが絡まっていたりした状態でパッキングしてしまうとキャノピーが上空で開かないなど命にかかわる仕事です。よって、パッキングはパッキングのライセンス保持者が全て行います。)
【 感想 】
ステージ1・2では、常にインストラクターしっかりと体を掴んでくれていたのが、ステージ3からはインストラクターが徐々に掴んでいた手を放し始めます。時速200Km の風圧はすさまじく、手を放された瞬間に体がバタバタと揺れ始めます。その姿は、舞い散る枯れ葉の様です。一度揺れ始めるとなかなか止めることが出来ません。そうなると、また二人のインストラクターに両側からつかんでもらって、体の揺れを止めてもらう始末・・・
STAGE 4. 完全に一人でまっすぐフリーフォールする
ここからインストラクターは一人になります。
正しい姿勢( BOX POSITION )を維持し、体を揺らさず、一人でまっすぐ落ちる練習です。
STAGE 4.課題
- 高度の確認(4~5秒おきに地上の目視・高度計のチェック・読み上げ)
- インストラクターは一人
- 前方のインストラクターとアイコンタクトを維持し、安定してまっすぐフリーフォール
- 3000フィートでリップコードを引く
【 感想 】
ステージ4を合格するのが、一番苦労しました。はじめのうちは、インストラクターが手を放した途端、体がきりもみ状態になってしまい、全く自分の体をコントロールする事ができませんでした。腕・足・胴体でフリーフォール時の風圧を均等に受け止め、体を安定させるための自分だけの BOX POSITION (適正な体勢)を見つけるまで、飛び続けるしかありません。しかし、5回目で ONE JUMP(ある日突然出来るようになるきっかけのジャンプ)がきました。
STAGE 5. 左右に360度ターンする
ここからは、フリーフォール中の動きの練習です。
まずは、左右の360度ターンと前方への移動です。
STAGE 5.課題
- 高度の確認(4~5秒おきに地上の目視・高度計のチェック・読み上げ)
- セスナから飛び降り、BOX POSITION
- 左右360度ターン
- 前方移動、そしてストップ
- 3000フィートでリップコードを引く
- キャノピーを開いた後、インストラクターの指示なしで、自分で着地
左右のターン、前方移動の仕方は、地上でレクチャーがあり、それをフリーフォール中に実践します。

キャノピー操作についても、地上でレクチャーがあります。キャノピーを使った風の強さ・方向の捉え方、地上のターゲット(着地点)に向かって行くためのコース取りの仕方等。
【 感想 】
ONE JUMP が来ると、フリーフォール中の体のコントロールが嘘のように出来るようになってきました。ここからは、キャノピーを開いた後、地上からのインストラクターの指示がなくなります。風の方向や強さを読むなどフリーフォール後も頭を使う事になりますが、フリーフォール中の課題に比べたら、楽です。
STAGE 6. 一人でセスナの外側につかまってからの飛び出し&STAGE 5の内容
STAGE 5と同内容に加えて、一人でセスナの外側につかまってからの飛び降りという課題があります。
セスナの機体の外側にダイバーが掴むための取っ手がつけられています。
それを掴んで一人でセスナの外側に張り付いてから、手を放して飛び降ります。
STAGE 6.課題
-
- 高度の確認(4~5秒おきに地上の目視・高度計のチェック・読み上げ)
- 一人でセスナの外側から飛び降り、BOX POSITION
- 左右360度ターン
- 前方移動、そしてストップ
- 3000フィートでリップコードを引く
- キャノピーを開いた後、インストラクターの指示なしで、自分で着地
【 感想 】
このステージではセスナの外側に取っ手を掴んでひとりで出て、それからの飛び降りです。セスナは当たり前ですが飛行中ですので、外側に出た時の風圧がものすごいです。渾身の力を込めて取っ手を握っていないと、吹きとばされてしまいます。飛んでるセスナの機体に張り付くなんて・・・(ミッションインポッシブルか)
STAGE 7. バック転した後にすぐに安定落下、トラック(アーチではない落下姿勢)
フリーフォール中にバック転した後、安定した BOX POSITION をとる練習をします。
バック転はうまく出来ようが出来まいが関係なく、不安定な状態からいかに早く安定落下の体勢に戻せるかがポイントです。
トラック姿勢とは、腕と足は後方に伸ばし、体は反らしません。素早く水平移動できるアーチではない体勢です。ピューン!!と前方に飛んでいくイメージです。
STAGE 7.課題
- 高度の確認(4~5秒おきに地上の目視・高度計のチェック・読み上げ)
- 一人で落ち着いてセスナから飛び降り、ゆったりそしてスムーズに BOX POSITION
- バック転(不安定な状態から素早く安定姿勢に戻す)
- トラック(素早い水平移動の姿勢)
- 3000フィートでリップコードを引く
- キャノピーを開いた後、インストラクターの指示なしで、自分で着地
【 感想 】
バック転は、フリーフォール中ものすごい風圧を受けているので、膝を抱えればすぐにくるくる回ります。

STAGE 8. 高速&遅速落下・“S”字トラック・より安定した左右ターン
アーチの体の反らせ方をより反らせると風圧を受ける面積が減るため、落下速度が上がります。
逆に、背中を丸めると落下速度が遅くなります。
それを利用した、高速落下・遅い落下の練習。
左右のターンとステージ7で練習したトラックの技術を使い、”S”字を描く練習。
STAGE 8.課題
- 高度の確認(4~5秒おきに地上の目視・高度計のチェック・読み上げ)
- 一人で落ち着いてセスナから飛び降り、ゆったりそしてスムーズに BOX POSITION
- 高速落下&遅い落下
- バック転、より安定した360度左右ターン
- ”S”字トラック
- 3000フィートでリップコードを引く
- キャノピーを開いた後、コントロールし着地
【 感想 】
この頃になると、フリーフォール中のボディーコントロールも上達し、フリーフォール中の課題に、より集中出来るようになってきました。
STAGE 9. 低高度(3000フィート)からの落下
いよいよ最終ステージです。
3000フィートという低高度(普段は約14000フィートから落下)からの落下練習です。
飛び降りてただちに安定し、リープコードを引きます(キャノピーを開く)。
インストラクターなしで、一人で飛びます。
STAGE 9.課題
- 落ち着いてセスナの外側から飛び降りる
- BOX POSITION を取る
- 2500フィートでリップコードを引く
- キャノピーを開いた後、コントロールし着地
【 感想 】
3000フィートからの落下は、飛び降りてすぐにキャノピーを開くので、あっという間に終わってしまいました。
更に、条件を満たしたダイビングを10本(インストラクターなし)
ステージ6を合格すると、インストラクターの監視のもと一人で飛ぶ事が出来るようになります。
AFFコースを取得するには、ステージ9を終了し、更にターゲット(着地点)から25m以内に着地したダイビングを10本する必要があります。
AFFコースの内容(SATGE 1 ~9)は、こちらの動画に収められています👇
あとがき

私が、このAFFコースを取得したドロップゾーンはパースの東97Km、車で1時間ちょいの所にあるヨーク(York)という街です。
小さな穏やかな街で、少し車で走ると広大な牧場が広がっています。
ドロップゾーンはそんな牧場エリアの中にありました。
一度、キャノピーを開いた後、風の強さを読み間違え、となりの牧場に着地してしまったことがあります。(そういう人は私だけではなかったようで、牧場とドロップゾーンとの間の柵にはキャノピーをかかえて越えられるように、人知れずはしごが渡してありました)。
そんなのどかな場所での AFFコース 取得の全9行程のご紹介でした。